絵:たくや君(埼玉県・8才)
作:デルピエ〜ロ橋本

第1話 森のレストラン

むかしむかし、
小さな村がありました。
村の はたには 森があり、
りっぱなクヌギの木がありました。
その木は、りっぱなだけでなく、
ところどころに あながあき、
そこからミツがしみ出して、
森のレストランになっていました。

お昼には、
ミツのおいしい においにつられ、
いろんな虫が 集まりました。
カナブン、シロテンハナムグリ、
キマワリ、ヨツボシケシキスイ、
ゴマダラチョウに、ヒカゲチョウ。
すてきな 森のレストランは、
きょうも たいそう にぎわっていました。

ところが、そんなレストランに、
平和をみだすやつらがやってきました。
ブーーーン! ブーーーン! ブーーーン!
はねで 大きな音をたて、
黄色と黒のしまのシャツ、
目じりのあがったサングラス、
そうです、森のギャング、
オオスズメバチが やってきたのです。

「どけどけどけぇ! ここはオレたちの なわばりだ!」
「ぐずぐずしてると、この どくばりを つきさすぞ!」
びっくりぎょうてんした虫たちは、
あわてて その場をあとにして、
とんでにげたり、走ってにげたり、
このはの うらや、えだかげに、
みんな かくれてしまいました。
オオスズメバチは わがものがおで、
おいしい ミツを ひとりじめ。
いつまでたっても どいてはくれず、
とうとう 夕方になってしまいました。

つづく



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